どうしてツルたちは、海を越えて渡ってくるのでしょう?
出水にやってくるナベヅルやマナヅルの繁殖地のアムール川流域やロシア・中国北東部は、冬には氷点下の気温が続く雪や氷に覆われた土地になります。その寒さから逃れる為と、餌となる昆虫などが冬になると少なくなり土は氷に阻まれて餌を探しづらくなる為、餌の豊富な暖かい土地に渡ると考えられています。
いつ頃、出水にやって来るのでしょう?
いろいろな説がありますが、10月に入って朝鮮半島の天気が良く、出水地方が晴れていて北風が吹く冬型の気圧配置に近い条件の時にやってくると考えられています。
繁殖地から出水までは2000~4000kmほどの道のりです。途中何度か休憩を取って中継地に何日か逗留し、次の場所までのエネルギー補給をしながら渡ってきます。
特に幼鳥を連れた家族は、まだ飛行に不慣れである幼鳥に合わせた渡りのスケジュールになるようです。
いつ頃、出水から帰って行くのでしょう?
2月に入って、晴れていてあまり強風の吹かない日の午前中に帰って行きます。日の出の飛び立ち時にそのまま帰って行くツルたちもいるそうです。
2月はマナヅルの北帰行が中心で、3月に入るとナベヅルたちが帰り始め、3月末までにはほとんど全てのツルたちが北帰行します。
北帰行の経路
荒崎から見て西側に見える山を超えるルート・野口港へ直線的に抜けるルート・蕨島方面へまっすぐ飛ぶルートを経て、長島・天草・長崎・佐世保・平戸を抜けて日本海を渡り、朝鮮半島を縦断して繁殖地へと帰って行きます。